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ライバルが協力 宮古タクシー組合、配車アプリを独自に開発「手数料ゼロ」 免許返納者にクーポンも


ライバルが協力 宮古タクシー組合、配車アプリを独自に開発「手数料ゼロ」 免許返納者にクーポンも 配車アプリ「宮古島TAXIアプリ」の運用を開始した宮古タクシー事業協同組合の関係者ら=6日、宮古島市下地支所
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

 【宮古島】宮古タクシー事業協同組合(下地隆之代表理事)は11月1日から、加盟11社の120台に配車アプリ「宮古島TAXIアプリ」を導入した。市内ではタクシーがなかなか捕まらない時間帯もあり、「タクシー不足」の解消につなげたい考えだ。アプリ開発を手がけた電脳交通(徳島県)によると、タクシー事業者同士が協力して配車アプリを開発・導入した例は全国初とみられる。既存のアプリを使うと組合はアプリ会社に手数料を支払うが、独自開発のため組合の負担はない。費用が浮くため、免許返納者にクーポン券を配布し、地域に還元する予定だ。

 同組合と電脳交通は6日、市下地支所で記者会見を開いた。アプリは地図上に利用者の現在地が表示され、最も近い空車のタクシーを呼ぶことができ、呼ぶタクシー会社を選択することもできる。同組合がアプリを管理するため、配車に伴う手数料が発生しないことも特長だ。

宮古タクシー事業協同組合が運用を開始した「宮古島TAXIアプリ」の画面

 電脳交通の近藤洋祐社長は「同業者と顧客情報を共有することはハードルが高い。そこを乗り越え、事業者同士でアプリ開発をしたのは全国で初めてではないか」と語った。

 市内では、朝や夕方、夜中、また大型クルーズ船が平良港の専用バースに到着した際にタクシーの需要が急激に上がるという。下地代表理事は「タクシー業界が抱える問題の解消に向け、同業者が団結した。アプリの開発で、地域の足は地域で守る」と話し、アプリの使用を呼びかけた。

 今後、売り上げの一部を免許返納者に配布するクーポンの財源に充てる。

 観光客も使用できるように、QRコードを読み込むと配車できる機能も追加するほか、アプリを導入したタクシーの台数も増やす予定だ。

 (友寄開)