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中3で電気工事士合格 東風平中の前冨里さんが快挙 沖縄電力で働く「父の仕事」に憧れ


中3で電気工事士合格 東風平中の前冨里さんが快挙 沖縄電力で働く「父の仕事」に憧れ 第2種電気工事士などに合格した前冨里昊大さん(左)と、試験勉強をサポートした父の英作さん=8日、八重瀬町後原
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

【八重瀬】八重瀬町立東風平中学校3年の前冨里(まえふさと)昊大(こうた)さん(15)がこのほど、第2種電気工事士の試験に合格した。沖縄電力で働く父・英作さん(45)の仕事に憧れ資格取得に挑んだ。今月4日には新たに危険物取扱者試験乙種第2、6類にも合格し、さらなる資格取得に意欲を燃やす。

第2種電気工事士は、住宅や小規模施設の600ボルト以下の電気工事ができる。中学生が合格することは珍しいという。

昊大さんは小学4年の時の職場体験で、父が働く沖縄電力の給電指令所を訪れ、発電量や家庭などへの給電状況を大画面の監視盤で監視・管理する仕事内容に憧れた。

「ここで働きたい。どうすれば入れる?」。息子の質問に英作さんが国家資格の取得を勧め、中学入学後から挑戦を始めた。

2年生だった2022年8月、危険物取扱者試験乙種4類に4度目の挑戦で合格。第2種電気工事士試験に向けた勉強も始め、昨年5月に学科試験を通過、7月に技能試験を受験して見事合格した。学科では電気の基礎理論などの知識、技能では時間内に配線する技術を問われた。

技能はインターネットで配線の動画を見たり英作さんに質問したりして毎日練習した。「興味があるので、やる気を持って取り組めた」と振り返る。父と同じ沖縄工業高校の受験も控えている。

高校での目標について「第1種電気工事士をはじめ、国家資格の取得を進めたい」と力を込めた。英作さんは「中学生で難しい資格にチャレンジし、こつこつ努力して合格できた。目標に向かって頑張ってほしい」とエールを送った。 (岩切美穂)