【伊江】元気に育ってくれてありがとう―。2012年1月、407グラムの超低出生体重児で生まれた金城幸花さん(12)が18日、伊江村立西小学校を卒業した。
父親の幸人(45)さんと母親の奈津子さん(46)は幸花さんに宛てたメッセージシートに「私たちの手の中にすっぽり入るほどの大きさで生まれた幸花。みんなと同じように学校に行かれるか心配したけど西小で輝いていたあなたを誇りに思う」と言葉を寄せ、わが子の成長をかみしめた。
幸花さんは身長25センチ、体重407グラムの大きさで生まれた。出産予定日より16週も早く生まれ、生命が危ぶまれた。生後10日目、体重が380グラムまで低下した中で心臓の手術を受けるなど、幾度となく困難を乗り越えてきた。島の自然に触れながら人々の優しさに包まれて成長した。
卒業式では何度も涙を拭っていた幸花さん。式前には教室で両親を前に「今まで育ててくれてありがとう」と涙で言葉を詰まらせながら手紙を読んだ。
奈津子さんは「つらいこともあったが乗り越え、今のうれしさがあると思う。友だちや周りの人に支えられ、元気に育ってくれた」と話し、感極まった様子だった。幸人さんは「地域の皆さんに支えられていることに感謝し、これからもしっかり支えていきたい」と語った。
幸花さんの将来の目標は、入学当時はケーキ屋さんだったが今は「手話通訳士になること」と語り、「中学では勉強と部活を頑張りたい」と話した。 (中川廣江通信員)