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人を呼び込める市に 議会との対話にも注力 糸満市長再選・當銘真栄氏に聞く 沖縄


人を呼び込める市に 議会との対話にも注力 糸満市長再選・當銘真栄氏に聞く 沖縄 2期目の意気込みを語る當銘真栄市長=17日、糸満市役所
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 【糸満】16日投開票された糸満市長選で、現職の當銘真栄氏(58)が再選を果たした。當銘氏に選挙結果の受け止めや重点施策を聞いた。 (聞き手・岩切美穂)

 ―次点候補と164票の僅差での再選。一夜明け心境は。
 「1期での市長交代が続いていた。市発展には『まいた種を形にする』2期目が必要だと訴え、多くの市民に伝わった。接戦は予想していたが、ここまで僅差とは思わなかった。残りの3候補に入った約1万7千票を重く受け止め、他候補の掲げた政策も吟味し、取り入れられるところは取り入れたい」

 ―選挙戦を振り返り勝因は。
 「(市議会が否決した)市社協の施設建て替えは『ぜひ進めて』との声が多く、高齢者や困窮家庭など福祉の拠点を必要とする人を中心に響いた。西崎運動公園のブルペン整備はプロ野球キャンプによる経済効果を継続する意味で受け入れられ、高嶺小中一貫校の早期開校は子育て世代に響いたと思う」
 「選挙戦の前から、私を中傷するビラや立て看板、市が無駄遣いをしていると誤解を与えるビラがまかれ、市民の誤解を解くための説明に多くの時間を割かれた。苦しい選挙だった」

 ―投票率、得票数の受け止めは。
 「投票率は候補者が多かったので、60%には届かないものの、もう少し上がると見ていた。悪天候が影響した。得票数も1万1千票くらいはいくと見ていた。地盤の兼城を中心に、三和でも青年会OBのつながりで一定の浸透を図れたが、門中の強い糸満は厳しかった」

 ―重点的に進めたい施策は。
 「高嶺小中一貫校の早期開校に向け、安心して学べる環境づくりを市教委と連携して進める。真栄里物流団地整備では大規模商業施設を誘致したい。家族で楽しめ市外からも人を呼び込める施設を目指し、本年度内に公募をかける予定だ。南山城跡の国史跡指定も進め、市の顔として整備し、観光資源にしたい」

 ―市議会とどう向き合うか。
 「1期目はコロナ禍で交流できずにいるうちに、(野党側が)こちらの意見を全く受け付けない状況になってしまった。全議員ともう少し丁寧に向き合わないといけない。市の発展という共通の方向性を持って、話し合える関係性を築きたい」


 とうめ・しんえい 1966年5月生まれ。市武富出身。糸満高卒。畳店勤務を経て2013年から糸満市議2期。20年6月の市長選で初当選した。