チャットGPT活用し「子ども向け」施政方針 糸満市が公表 用語を平易に 県内11市で初 沖縄


チャットGPT活用し「子ども向け」施政方針 糸満市が公表 用語を平易に 県内11市で初 沖縄 糸満市役所(資料写真)
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 【糸満】糸満市はこのほど、2024年度施政方針の「子どもの皆さん版」を市ホームページ(HP)で公表した。小中学生向けに分かりやすい表現に書き換え、漢字には読み仮名をふっている。市によると施政方針の子ども版を作成するのは、県内11市で初めて。

糸満市の子ども版施政方針の表紙(市ホームページより)

 市民の暮らしの向上などに対する市の姿勢を、子どもたちに知ってもらう目的で作成した。

 こども家庭庁などのHPを参考に、24年度の重点項目五つと第5次市総合計画の六つの柱について、チャットGPTを活用して分量を3分の1程度に圧縮し、表現を簡易にした。

 その上で職員が内容を確認し、省略された中に重要な部分があれば盛り込み、言葉足らずの部分を補ったり、難しい用語を書き換えたりした。

 例えば24年度の重点項目「物価高騰への対応」の中の「年金世帯を含む新たな住民税非課税世帯への給付や、より幅広い低所得者世帯への給付のほか、子育て世帯への追加給付などきめ細かい支援を進めます」との記述は、子ども版では「特に生活が苦しくなっている収入の少ない家庭や子育て中の家庭に対し、生活を助けるためにお金を渡します」と書き換えている。

 作成した市企画部行政経営課の担当者は「(行政用語を)平易な言葉で説明するのは大人用の作成より難しい」と苦笑しつつも「教育や子育てなど子どもたちに関連する内容もある。興味を持ってほしい」と話した。

 今後、市公式SNSなどで発信するとともに、市生涯学習まちづくり出前講座のメニューに一般・子ども向け施政方針を加え、受講者に伝えていく。子ども版施政方針は、市HPの「市長の部屋」で閲覧できる。

(岩切美穂)