「不便・不足・不自由」小学生が渡嘉敷島でサバイバル生活 児童「物の大切さ知った」 沖縄


「不便・不足・不自由」小学生が渡嘉敷島でサバイバル生活 児童「物の大切さ知った」 沖縄 渡嘉敷村の海岸(資料写真)
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 渡嘉敷村の国立沖縄青少年交流の家が1973年の開所以来継続して実施している「無人島アドベンチャーキャンプ」が7月27日から8月1日まで渡嘉敷村で開催された。青少年交流の家が、地域の特性や立地条件などを生かして主催実施する教育事業で、県内外の小中学生24人(小学生12人、中学生12人)が同村の無人島「儀志布(ぎしっぷ)島」での過酷で「不便・不足・不自由」なサバイバル生活にチャレンジした。

 「~未知への挑戦 仲間と乗り越える 特別な7日間~」をテーマに開かれ、今回は台風3号による定期船欠航などで日程が短縮され、無人島では29日から3泊4日の体験となった。

 指導、助言などは総勢10人の交流の家スタッフが務め、初日は交流の家キャンプ場(渡嘉志久ビーチ)で無人島生活の心得やシュノーケリングなどを学んだ。2日目、同村の最北端200メートルに位置する儀志布島へ渡し船で上陸、文明の利器から離れ、猛暑の中を3班に分かれ行動を開始した。スタッフのチーフカウンセラーの指導のもと、トイレ、石カマドなどを造り、限られた水、米、調味料などを使い、まきを拾い集め、みんなで協力しながら自らの手で捕り、作り、食べて、砂浜で寝るなどの「サバイバル」を体験した。

竹竿を手に釣りの準備をする参加者ら=7月30日、渡嘉敷村の儀志布島

 中学2年の生徒(14)は「わくわく、どきどきしながら参加した。ミーバイ、アイゴを釣って食べた。大自然の楽しさ、厳しさを味わい、達成感でいっぱい」と笑顔を見せた。読谷村の児童(11)は「無人島生活は日常の当たり前のことがなくなり、物の大切さを痛感した」と話した。島根県から参加した中学生(14)は「澄んだ海でのシュノーケル体験が印象的。体験を今後に生かしていきたい」と声を弾ませた。

 事業担当の村島雄太企画指導専門職は「子どもたちが限界に挑み大きく成長した」と成果を強調した。