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高校生が披露宴プロデュース 「アットホーム」テーマに 夫婦の門出を笑顔で祝福 沖縄


高校生が披露宴プロデュース 「アットホーム」テーマに 夫婦の門出を笑顔で祝福 沖縄 浦添商業高校生徒プロデュースの式で笑顔を弾けさせる髙江洲義尚さん(左)ときよ子さん夫妻=8月24日、浦添市の浦添商業高校
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 【浦添】浦添商業高校国際観光科3年生がプロデュースする、髙江洲義尚さん(43)ときよ子さん(41)夫妻=沖縄市=の結婚披露宴が8月24日、浦添市の同校で開かれた。生徒約60人が、会場の設営や受け付け、式の進行などに取り組んだ。式には高江洲夫妻の親戚や友人約30人が参列し、2人の門出を祝福した。

 髙江洲夫妻は、同じ職場で働く縁で交際を始め、2023年11月に結婚したが、義尚さんの意向で披露宴開催は見送った。しかし義尚さんが、浦添商業高校でスクールフォトを担当する友人から、「国際観光科の総合実践授業の一環で、披露宴をやらせてくれる人を探している」と聞き、考えを一変。「生徒のためになれば」と、披露宴開催を快諾した。

 生徒らは国際観光科の大村由美子教諭の「新郎新婦に120%満足してもらえる式を」との言葉を胸に、6月から3カ月かけて準備を進めた。当日の受付では「御祝儀」に代わり、お祝いや激励の言葉「御祝言」を参列者からもらい、会場を白のテーブルクロスと赤い椅子を基調に、「アットホーム」をテーマに飾り付けた。

 新婦のメークやヘアセットには、「沖縄ビューティー&ブライダル専門学校」の教諭や、生徒が駆け付け、式で出すコーヒーの準備には沖縄職業能力開発大学校が仲介した企業が、協力した。

参列者にコーヒーを出す浦添商業高校国際観光科の生徒

 式が始まると新郎新婦の2人を中心に、会場には笑顔があふれた。「浮かれてしまった」と振り返る義尚さん。入場の際、生後5カ月の娘・碧伽(あおか)ちゃんを抱っこしながら、スリッパのまま入場してしまうが、生徒が気付き、会場が暗い間に革靴へと履き替えた。他にも参列者が飲み物を倒したり、マイクの入りが悪かったりとアクシデントもあったが、リーダーを中心に一つ一つ対処していった。

 最後は義尚さんが、参列者へのお礼とともに「とにかく元気に2人を支えつつ、支えられつつ頑張りたい。頑張ります」と宣言し、締めくくった。

 新郎の父・髙江洲義晃さん(70)は「ホテルで挙げる式と違い、初々しさがあって良い。生徒たちも頑張ってくれていた」と目を細めた。
 きよ子さんは「生徒たちのやりたいことに答えようとする(義尚さんの)姿に、教育への熱い思いを感じた。友人からのサプライズビデオもあって、びっくりした。披露宴はできないと諦めていたので、こんな機会をもらえて感謝だ」と語った。

 リーダーの東彩葉さん(18)は「碧伽ちゃんが泣いたときなどに対応が遅れたが、練習のときにいろいろな場合を考えていたことが、生きたと思う」と振り返った。同じくリーダーの細原美琴さん(17)は式後の夫妻の姿に笑顔を浮かべ「将来は、沖縄の自然環境をよくしながら、観光客や地元の人、みんなを幸せにできるような仕事をしたい」と話した。 

(藤村謙吾)