有料

認知症の当事者ら生き生き接客 名護で「注文を間違えるカフェ」開催 沖縄


認知症の当事者ら生き生き接客 名護で「注文を間違えるカフェ」開催 沖縄 お客さんから注文を受ける宮平廣さん(右から2人目)=17日、名護市為又
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 名護市でデイサービスなどを営むコスモエンジェルは17日、同市為又のデイサービスてぃださん1号館で、認知症のある人が店員として働く「注文を間違えるカフェ」を開催した。同日、デイサービスに通う4人が店員として接客し、生き生きとした表情を見せた。

 てぃださん1号館では毎月第3水曜日に、認知症当事者や介護の悩みを抱える人などが集まって意見交換をする「オレンジカフェ」を開催し、認知症への理解を深める取り組みをしている。今回、同館に通う認知症の利用者らから希望があり、注文を間違えるカフェを開催した。

 同日、店員として接客した4人は、お互いに協力しながら、席への案内や注文、配膳までの仕事をこなした。会計や注文の際に戸惑うこともあったが、デイサービススタッフや客が温かく見守った。

 宮平廣さん(73)は「少しは忘れたりもするけど楽しいね」と笑顔を見せる。この日も、注文を忘れてしまったというが「勉強になるからいいね。いろいろ聞いたり話したりしていると、つながりもできる。できるだけ活発でいたい」と生き生きした様子で話した。

 カフェに来店した成田奈緒子さんは、戸惑いつつも接客する店員らを見て「家には90歳近くになる母がいて年相応の物忘れがあるけど、これからは優しくなれそうだ」と母との接し方に新たな視点を得たようだった。

 コスモエンジェルの北島枝利子代表は「みんな日頃から掃除も手伝っていて『まだ働ける』と話している。地域と関わりを持つことで生活にも活気が出ると思う」と話した。

(金城大樹)