第53回全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会の全国大会が8月9、10日、那覇市の那覇文化芸術劇場なはーとであった。9日の記念講演は、国立特別支援教育総合研究所の牧野泰美氏が登壇した。難聴や言語に障がいのある子どもに保護者と担当教員が関わる上で、必要な視点と関係の重要性を紹介した。九州大会との同時開催で、難聴・言語障害教育に携わる県内外の約350人が教育内容や方法について学んだ。
牧野氏は、障がいのある子どもが通常学級に在籍しながら必要に応じた授業なども受ける「通級指導教室(通級)」では、教員は最初から課題(障がい)と向き合うことになると指摘。「課題だけを見る付き合い方だけでなく、コミュニケーションを深め、良さを見てはどうか。このような付き合いでこそ子どもは育つ」と強調した。また、話し方や発音など、子どもが現時点で持つ力を、繰り返し使うことで成長につなげる必要性を説いた。「暮らしの中で、自分らしさを肯定的に受けとめる実感を味わえるのが通級の役割だ」と語った。
9日は、文部科学省特別支援教育課の村上学氏が基調講演した。10日は五つの分科会があった。
(高橋夏帆)