prime

パワーと勝負強さ、目指すは「ホームラン王」 広島4位・仲田侑仁<プロ野球ドラフト沖縄県勢特集>


パワーと勝負強さ、目指すは「ホームラン王」 広島4位・仲田侑仁<プロ野球ドラフト沖縄県勢特集> 力強くバットを振る沖縄尚学高の仲田侑仁=那覇市国場の同校(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 砂川 博範

 憧れていたプロの世界でも持ち前の長打力を発揮できるか。広島から4位で指名され、将来の4番候補としても期待される仲田侑仁(沖縄尚学高)はさらなる飛躍へ気合十分だ。


 186センチ、99キロと恵まれた体格で、並み居る好投手を打ち崩してきた。高校通算本塁打は22本。パワーがあるだけでは主砲は務まらない。特筆すべきはその勝負強さだ。仲田が沖尚で不動の4番で居続けられたのは春の選抜1回戦で大会第1号となる先制満塁弾、夏の全国選手権準々決勝でも2点先制本塁打を放つなど、ここぞという場面で結果を残してきたからだ。

 父親の勧めで小学2年生の時に野球を始めた。3年生で初めての本塁打を放ち、早くも強打者としての才能を開花させた。小学4、5年生の時には全国大会出場も果たした。

 高校で忘れられない試合がある。2022年秋の明治神宮大会での仙台育英戦。最終回で4点リードをひっくり返され、涙をのんだ。「こういうことが起こるんだと思い知らされた」。この試合では自身の失策もあった。それ以降、打撃力だけでなく守備力強化にも取り組んできた。

 目標とする選手は巨人の岡本和真。「自分もチャンスで打てるバッターになりたい」と力を込める。座右の銘はないが、常に笑顔でいることや謙虚さを大切にしている。
 「いつかホームラン王を取りたい」と目標は高い。プロになるだけでなく、目指すは一流選手。仲田の挑戦は始まったばかりだ。

 (砂川博範)


なかだ・ゆうと 2005年7月31日生まれ、那覇市出身。186センチ、99キロ、右投げ右打ち。泊小(泊ファイトクラブ)―那覇中(浦添ボーイズ)―沖縄尚学高。

◇  ◇  ◇

 昨年10月のプロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)で県出身3人、県系1人が選出された。仲田侑仁(沖縄尚学高)が広島、ワォーターズ璃海(ウェルネス沖縄高)が楽天からそれぞれ4位指名を受けた。愛知・東邦高の宮國凌空(宜野湾中出)はオリックスから育成3位で指名された。父親が那覇市出身の古謝樹(桐蔭横浜大)は楽天が1位で射止めた。己の可能性を信じ、それぞれがプロの世界へと足を踏み入れる。夢への挑戦が今始まる。