日本中学校体育連盟(中体連)が、主催する全国中学校体育大会(全中大会)で2027年以降、ハンドボールや新体操、相撲、水泳など9競技を実施しないと決定したことを受け、県内の指導者ら関係者から疑問や戸惑いの声が上がった。
神森中、港川中、浦添中で30年以上指導に携わってきた県ハンドボール協会の東江正作副会長は「チーム数が少ないという理由で大会をなくすのはどうなのか。その理由であれば今後残る競技は限られてくる」と疑問を呈した。一方、「勝利至上主義的な全国大会はよくない」と大会の在り方を見直す時期に来ているとの考えも示した。東江氏は選手のけがや教員の負担にも触れつつ、「勝ち負けよりもスポーツの楽しさを子どもたちに伝えていかないといけない。今回の問題も地域や行政も含めて、社会全体で考えていかないといけない」と訴えた。
「全国大会がなくなるのはよくない」と語るのは県体操協会の知念義雄会長。体操・新体操は県内の学校に部活としてあったが、現在はクラブチームが中心となっている。しかし、少子化の影響もあり、選手の数は減ってきているという。それでも「全中を経験して、オリンピックを目指す選手もいる。勝ち負けではなく、子どもたちにとっては出ることも大きな希望になる。それを摘み取るのは教育的にもよくない。なくなるのが一時的であってほしい」と復活も期待した。
県内強豪の浦添中相撲部監督で、てだこ相撲クラブコーチの幸地銀治教諭は7日夜に県中体連から規模縮小の連絡を受けたという。「なぜ相撲なのか理由が分からない。急な連絡で戸惑っている」と吐露。てだこクラブで小学生から育成する幸地教諭は「中学生の集大成の場がなくなれば、選手はどうモチベーションを持っていけばいいのか。他の部活に子どもたちが流れてしまわないか」と懸念した。
県水泳連盟の川満正芳会長は部活動の地域移行を挙げ「学校単位の部活減少も要因にあると思う。競技人口の増加に向けて知恵を出さなければならない」と語った。 (名波一樹まとめ)