筑波大学付属視覚特別支援学校(東京都)の高等部2年生15人が23日、修学旅行の一環で沖縄戦の戦跡を巡った。
生徒全員が視覚に障がいがあり、沖縄戦の実相を目で見て理解することが難しい中、生徒らは遺品や壕(ごう)を手で触り、壕内の空気や音の反響を全身で感じることで沖縄戦を追体験した。
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同校の修学旅行の特徴は実体験の重視にある。生徒らは南城市の前川民間防空壕群や南風原町の南風原文化センターなど5カ所を巡った。
玉城村(現南城市)前川の住民たちが約60基の壕を掘った前川民間防空壕群では、壕の壁を手で触りながら中に入り、白杖(はくじょう)で地面や壁をたたいて広さを確かめた。
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音の反響から内部の狭さを実感した生徒からは「こんなところで過ごすのか」と驚きの声が上がった。城間久斗さん(17)は「土で少し湿ったような空気感や狭さに驚いた。外と比べて空気も重く感じた」と話した。
同校によると、全国の盲学校では入学時から両手で触るなど視覚以外の感覚を活用して物事を調べることを各教科で指導している。生徒は南風原文化センターで砲弾や薬瓶などの遺物を両手で触り、大きさや重さを体感した。糸満市の平和祈念公園では平和の礎に刻銘された氏名を両手でなぞり、名前の分からない犠牲者がいることを実感した。
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大谷春登さん(17)は「本で読んでいたことを体で体験し、リアルな感覚で捉えることができた」と満足そうに語った。他の生徒からも「触ることで昔の人の痛みをリアルに感じることができた」、「同い年やそれ以下の子どもたちが想像できないほど恐ろしい体験をしていたことを再認識し、自分は恵まれていると認識した」などの感想が出た。
(武井悠)