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政府の沖縄予算はどう決まる? 内閣府が一括して計上、高率補助も<ニュースはじめの一歩>


政府の沖縄予算はどう決まる? 内閣府が一括して計上、高率補助も<ニュースはじめの一歩> 閣議に臨む岸田首相(中央)ら=12日午前、首相官邸
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

Q 政府の沖縄予算はどうやって決まるの。

A: 戦争とその後の米国統治によって道路や港湾などインフラの整備が遅れ、全国との経済格差も開いた沖縄には日本復帰以降、国の予算を充てる際に特別措置が取られ、現在も続いています。他の都道府県にはない制度で「一括計上」と「高率補助」が特徴です。

 政府予算の成立までの流れは次の通りです。まず各省庁がまとめた要求額を8月に財務省に提出します。財務省は金額などが適切なのかをチェックし、内閣に報告します。報告を基に12月、内閣は国会に提出する予算案を決めます。
 予算成立には通常国会での議決が必要ですが、国会での話し合いも内閣案が基になり、12月の予算案が重要になります。沖縄関係予算案も閣議決定されます。

 他の都道府県との違いはまず要求の仕方にあります。省庁が財務省に提出する要求額をとりまとめている時期に、各都道府県は次年度に必要な予算について、省庁に要請します。交渉も経て、予算案に盛り込まれる額が決まります。
 沖縄県の場合は内閣府が代行して各省庁と交渉し、内閣府沖縄担当部局予算としてまとめられます。これが「一括計上」です。
 また、沖縄県が実施する公共工事には国からの補助金の割合が他の都道府県よりも高く設定されます。これが「高率補助」と呼ばれています。

 着実な経済成長によって沖縄県の財政構造は他の類似県に並び、高率補助が不要になっているとの指摘もあります。沖縄に集中する在日米軍基地は経済発展を阻んでいる状況ですが、特別措置があることもあり「米軍基地がなければ沖縄財政は立ちゆかない」などといった誤った認識を持たれることもあります。