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辺野古の基地計画、日本負担で復活か 米軍「高額費用」で断念から一転 軟弱地盤、60年代から把握


辺野古の基地計画、日本負担で復活か 米軍「高額費用」で断念から一転 軟弱地盤、60年代から把握 名護市辺野古の沿岸部。奥の大浦湾側には軟弱地盤が見つかっている=2023年5月(共同通信)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 >>>大浦湾の軟弱地盤、1960年代に指摘 米海軍のマスタープランに記載

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、米軍が1966年にまとめた辺野古における米海軍飛行場のマスタープラン(基本計画)でも大浦湾周辺の地盤が軟弱である事実が示されていた。当時の計画は高い建設費を理由に頓挫した。米軍の資料をたどると、60年代に描いて断念した基地建設計画が、日本政府の支出を当てに復活して現在の新基地建設計画に生まれ変わった可能性が浮かび上がる。

 米軍が作成した80年の普天間飛行場マスタープラン(基本計画)では、代替地として嘉手納基地への統合案と辺野古での基地建設案が挙げられた。辺野古案として紹介されているのが、今回、軟弱地盤の存在も踏まえていたことが判明した66年の基地建設計画だ。1億1千万ドル以上かかるとし「建設費が高いため、実現できない」と記載している。

 92年に作成された普天間飛行場の基本計画では、移設先を限定していないが、代替施設建設の費用を日本政府に支出してもらう案に言及している。その4年後、日米両政府は普天間飛行場の返還に合意した。代替施設建設を条件とし、危険性除去や地元の負担軽減を名目に日本側が事業費を負担している。

 日本政府は当初、軟弱地盤の存在を反映せず、2014年には3500億円と説明していた。既成事実化を狙い、軟弱地盤に関わらない辺野古側の浅瀬で先行して埋め立てを進めてきた。19年に地盤改良工事の必要性を公式に認め、費用は9300億円に上ると試算している。

(明真南斗)