左右エンジンの出力低下 宮古陸自ヘリ事故 右の低下後1分ほどで左も… 防衛省、調査結果報告へ


左右エンジンの出力低下 宮古陸自ヘリ事故 右の低下後1分ほどで左も… 防衛省、調査結果報告へ 海底から甲板に引き揚げられる墜落したヘリの機体の一部=2023年5月2日、宮古島市沖(又吉康秀撮影)
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 2023年4月に宮古島市沖で陸上自衛隊のUH60JA多用途ヘリが墜落した件で、その直前に左右両方のエンジン出力が低下していたことが3日、複数の関係者への取材で分かった。

 UH60系のヘリは世界中で広く運用されているが、防衛省関係者によると、極めてまれな現象。防衛省が3月中にも調査結果を公表する見込みで、両方の出力が低下した要因や再発防止策が焦点となる。

 事故は23年4月6日に発生した。関係者によると、まず右側のエンジン出力が徐々に低下し、1分ほどの短時間で左側のエンジンの出力も下がっていった。一般的にエンジンが二つある場合、片方が機能しなくなっても墜落しないとされる。両方の出力が低下したことで事故につながった可能性がある。

 事故機がレーダーから消える2分前に下地島空港の管制と口頭で通常のやりとりをしたことや事故機とみられる物体が低空飛行する映像が確認されていたが、詳しい状況は明らかになっていない。

 防衛省は23年5月、飛行記録が収められているフライトレコーダー(飛行記録装置)を回収して解析を進めてきた。同10月からは防衛省の事故調査委員会に有識者も参加している。 

(明真南斗)