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嘉手納基地の前、怒りの花で抗議、涙も「なぜ沖縄だけ」「理不尽、ずっと」米兵女性暴行続発


嘉手納基地の前、怒りの花で抗議、涙も「なぜ沖縄だけ」「理不尽、ずっと」米兵女性暴行続発 米軍嘉手納基地へ花などを掲げて抗議の意志を示す人たち=28日午後6時半、沖縄市上地(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 度重なる米兵による性的暴行事件を受け「フラワーデモin KOZA」の主催者らは28日、沖縄市の米軍嘉手納基地第2ゲート前で抗議集会を開いた。約100人が「なぜ沖縄だけがこんな思いをしないといけないのか」と怒りを込め、花を高く掲げた。

 「腹の底からマグマが煮えたぎるような思いだ」。米軍嘉手納基地第2ゲート、地面に引かれた基地と民間地を区切る境界線の手前で、約100人が怒りや被害者らへの連帯を込め、花を静かに掲げて抗議を示した。

 相次いで明らかになった米兵による性的暴行事件を受け「フラワーデモin KOZA」の主催者らは28日、抗議集会を開いた。基地からは人や車が軽々と境界線を越える。「理不尽がずっと続いている」と沖縄が置かれている状況に、怒りは広がっている。

 「事件を聞いて言葉もでず、体も動かなかった。悔しい気持ちだ」。ゲート前でマイクを握った玉城愛さん(29)=うるま市=は声を震わせながら思いを話した。「不安を抱えて生活に戻る。これが本当に平和な状態なのか」と日本政府、米軍への不信が積もる。「沖縄だけでなく、日本全体の問題。沖縄の痛みに気づいてほしい」と思いを込めた。

 参加者らはゲート前から胡屋十字路に移り、「フラワーデモ」を実施した。いつもは「サイレントスタンディング」だが、この日ばかりは事件を県に伝えなかった国や県警への不信感、沖縄が置かれている不条理な状況に、抗議の声が相次いだ。

 紙で手作りした花を手に、発言した知念沙織さん(44)=本部町=は「一番伝えたいのは被害者が悪いという声は絶対に間違っていること。絶対に加害者が悪い」と涙を浮かべながら語気を強めた。周囲からは拍手や「そうだ」との声が上がった。

 動画を回しながら参加した平良和博さん(66)=沖縄市=は、幼い頃に見たコザ騒動の光景を思い出す。「今も暴動が起きてもおかしくない状況。日米政府への怒りが収まらない。やっぱしこういうことが繰り返されて悔しい」。共感の広がりを求め、「県民集会などが開かれてもいいはずだ。本土の仲間に発信しなければ」と様子を動画に収めた。

 抗議集会の呼びかけをする、沖縄市在住の女性(68)は「活動が足りなかったのかとも思ってしまうが、被害にあった方に思いを重ね、一人ではないということを伝えていく。安心して暮らせる沖縄をつくる決意を新たにした」と表情を引き締めた。(福田修平、石井恭子、金盛文香)