沖縄固有のトカゲ「アオカナヘビ」が5日、しっぽが二股に分かれた状態で西原町池田で捕獲された。しっぽを合わせると体長約20センチの雄の成体。専門家は「天敵などに襲われ逃げる際に自切(じせつ)したしっぽの根元が残り、再生したものではないか」と指摘している。
捕獲したのは大城幸太さん(26)=那覇市首里山川町。祖父・幸祐さん(88)の畑で作業している時、草むらでガサッという音と何かが動くのに気付いた。目をやるとトカゲのしっぽが2本。「最初は雄と雌が重なっているのかと思ったが、よく見ると1匹。しっぽが2本あって驚いた」
幼い頃から昆虫類や爬虫(はちゅう)類などが好きで、キノボリトカゲなどを捕まえ育てたことはあるが「しっぽが二股に分かれたトカゲは初めてだ」と目を輝かす。自宅で父・孝仁さん(55)と育てている。
爬虫類、両生類専門の環境省希少野生動植物種保存推進員の田中聡さんによると、しっぽを自切するトカゲはアオカナヘビを含めて数種類が沖縄に生息していて「しっぽが二股に分かれている個体は特に珍しいというわけではない」という。
ただ「昔は市街地の草むらのあちらこちらにいたアオカナヘビだが、今はだいぶ減っている。このような個体がいることを知り、身近な動植物、自然に親しむきっかけにしてほしい」と語った。
(安里周悟)
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