【動画】私は世界の海の旅人さ〜カルエボシとヒダミノウミウシ〜<沖縄・海の生き物たちVol.25>

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食事付きの豪華客船


強い北風が吹いた翌日、海岸に行ってみました。こんな日は、ペットボトルや浮き、発泡スチロールなど、黒潮に乗った漂流物が沖縄の島々に流れ着きます。漂流物には、生き物がくっついていることがありますね。一番多いのはエボシガイの仲間。貝みたいですが、実はエビやカニに近い、フジツボの仲間です。漂流物に付着して、世界の海を旅します。三角形の殻の隙間から、「蔓脚(まんきゃく)」と呼ばれる熊手のような足を出して、水中を漂う餌を捉えて食べるんです。

生き物の世界には「食う・食われる」の関係がつきもの。今回見つけたエボシガイはカルエボシという種類で、これがくっついた浮きに、もう1つ生き物がいました。ヒダミノウミウシです。1センチそこそこの小さな個体が何匹もいて、しかも白い卵塊をたくさん産み付けています。このウミウシ、なんとエボシガイ類やカツオノエボシ、カツオノカンムリといった漂流する生き物を食べるんです!半透明なふさふさの体は消化管が透けて見え、食べる相手によって体の色も変わるよう。カツオノエボシのように青いクラゲを食べる者は青く、エボシガイ類を食べる者は茶色に。今回の浮きにはカルエボシがたくさんついていて、ウミウシにとっては食事付きの豪華客船です。一方、カルエボシにとってはとんだ災難。海の流れ者同士、大海原で生き抜くのもなかなか大変ですね。



Vol. 25 ヒダミノウミウシ

Fiona pinnata



● 目:裸鰓目 Nudibranchia

● 科:ヒダミノウミウシ科 Fionidae

● 属:ヒダミノウミウシ属 Fiona

 



動画撮影:
ヒダミノウミウシ 2020年3月10日(浦添市西海岸)

動画撮影・編集&執筆

鹿谷法一(しかたに・のりかず しかたに自然案内)

琉球大卒、東大大学院修了、博士(農学)。広島に生まれ、海に憧れて1981年に沖縄へ。専門はカニなどの甲殻類。生き物の形とはたらきの関係に興味がある。最近は、沖縄の貝殻を削って磨くシェルクラフトを行っている。

鹿谷麻夕(しかたに・まゆ しかたに自然案内)

東洋大、琉球大卒。東大大学院中退。東京に生まれ、20代半ばでサンゴ礁に興味を持ち、1993年に沖縄へ。2003年より、しかたに自然案内として県内で海の環境教育を始める。しかたに自然案内代表。手作りぬいぐるみで海を伝える、あーまんシアターも主宰。

 

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