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干潟を探検 生態系体感 うるま・海中道路 海の文化資料館講座 歴史、伝統漁法も


干潟を探検 生態系体感 うるま・海中道路 海の文化資料館講座 歴史、伝統漁法も 海中道路の生物や離島の歴史などを学んだ児童生徒ら=6月22日、うるま市与那城
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【うるま】うるま市の海の文化資料館は6月22日、児童生徒を対象に、海中道路ができる前の離島地域や干潟を学ぶ体験講座「まなぶ!あそぶ!海と道探検隊!!」を開いた。平安座島出身の仲原正和さん(80)を講師に招き、干潟の地形や生物、離島の生活状況、昔から平安座島に伝わる干潟のタコ採り漁の話などを聞いた。

 資料館内で仲原さんから、干潟に入る前に「危険生物には触れない」「熱中症予防」などの注意事項を聞いた。

 海中道路が完成し、平安座島や周辺離島の宮城島、浜比嘉島、伊計島も本島とつながって人の利便性が向上した離島の歴史と、海中道路で海水の流れが変化して干潟に住む生物が変わってきたことの説明を受けた。

 児童生徒らは干潟まで歩いた。資料館職員で学芸員の志喜屋悠乃さんは、うるま市与那城地域は県内でも多くの干潟面積を有する地域で、海沿いにアダンやオオハマボウ(ユウナ)などの植物が自生することを紹介した。

 子どもたちは、イソヒヨドリやオカヤドカリなどの生物も観察しながら、その特徴や生態の説明を受けた。海中道路の道沿いは海浜植物が自生し、それらを求めてさまざなな生物が集い、生態系を育んでいることを確認した。

 干潟では仲原さんがもりを使い、簡単に二枚貝を見つける方法を実践した。ダライモガイの貝殻を縦に複数付けた「ンヌジベント」という仕掛けを投げて引っ張りながら「ンヌジ」と呼ばれるタコ(ウデナガカクレダコ)を捕る漁法の疑似体験をした。

 参加した子どもたちは干潟で熱帯魚やナマコ、カニ、小エビを見つけて捕獲し、仲原さんや志喜屋さんに見せて名前や特徴を学び、干潟に戻した。潮干狩りをしながら海や海辺の生物に触れ、昔ながらの漁法を見るなどして地域に残る文化や歴史に触れた。

 家族で参加したうるま市立高江洲小学校6年の島袋諒珂さんは「生き物がいっぱい見られて楽しかった。スズメダイも見られて良かった」と話した。

 (高原景一通信員)