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山原(ヤンバル)で唯一無二の挑戦 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役) <仕事の余白>


山原(ヤンバル)で唯一無二の挑戦 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役) <仕事の余白> 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役)
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 沖縄県北部の山原(ヤンバル)には、チョウやトンボなど多様な昆虫が生息している。ユニークな生態、色鮮やかで変わった姿かたちのさまざまな昆虫に出合うことができる。ヤンバルで過ごした幼少期、人間には全く真似(まね)できない優れた機能や体の構造を持つ昆虫や小さな生物に興味を持った。中でもクモが腹部から糸を出す姿に魅了された。

 余談だが、昆虫の足は6本。クモの足は8本である。従ってクモは昆虫ではない。なぜ糸が出てくるのか、どれだけの糸が出るのかと興味深く眺めていたのを今でもよく思い出す。

 この糸を出すクモをワクワクしながら仲間とともに眺めていた時間が、現在の私の企業活動の礎となっている。小さな世界を少しずつ広げ、やがて、動かないものから動くものにさらに興味の幅が広がり、現在の活動につながっている。

 ・生物が持つ多様な機能、物質生産能力、動植物本来のエネルギー、生命力
 ・ヤンバルの亜熱帯気候という地理的優位性、生まれ故郷ヤンバルの発展
 ・子供の頃のようにワクワクする

 これらのキーワードをつなげてくれた「沖縄産エリ蚕(さん)」と目的を共有する仲間とのモノづくりは、唯一無二への挑戦の扉を開いてくれた。

 昆虫を活用した産業の創出は、雇用の創出だけでなく、地域の稼ぐ力の向上や関係人口の創出・拡大、人材育成など地域産業活性化の貢献にもつながる。これから地球を救うのは昆虫かもしれないと考えている。