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一期一会 小島博子(EGLOKINAWA代表取締役社長) <仕事の余白>


一期一会 小島博子(EGLOKINAWA代表取締役社長) <仕事の余白> 小島博子
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 再就職に際し、家族との約束は平日の9時から5時、日曜祝祭日休みというものだった。しかし、担当したのは他県の団体の沖縄への誘客。お客さまが入ってくるのはほとんど、週末だった。当時、Eメールもなく、電話やFAXで何度もやり取りをした方が添乗員として団体を連れて来る。休日でも、空港にごあいさつに行くのは当たり前。帰る時は、自分の手配がどうだったのか、楽しい旅行だったのか、確認しに行かない訳にはいかなかった。

 そうして出会った全国の方とは、今でも遠くの親戚の様に交流がある。コロナ禍ではLINEで生存確認をし、たまには愚痴も言い合いながら、ご当地の様子を聞き、コロナが明けて団体が復活すれば、空港にお迎えに行ったり、お土産を持って見送りに行ったりしている。この人たちとも旅行業に関わらなければ多分一生出会えなかった。

 一期一会という言葉が好きである。確か茶道に由来する言葉で、この時が、一生に一度限りの機会かもしれないから大事にしなければいけない、という様な意味だったかと思う。まさにこの言葉は、旅行業に当てはまると感じる。

 お客さまに取って、この旅は一期一会、一生に一度の機会かもしれない。楽しい思い出をつくって帰っていただくことは、旅を生業(なりわい)とする者の使命であろう。そう考えたときに責任の重さで不安にもなるが、やりがいも感じる。そして、今日もどんな出会いがあるかワクワクしながら、仕事をする。まさに一期一会である。