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沖縄3地銀の中間決算、純利益の合計が16%減 コロナ禍回復で収益上向きも、債券運用で苦戦


沖縄3地銀の中間決算、純利益の合計が16%減 コロナ禍回復で収益上向きも、債券運用で苦戦
この記事を書いた人 琉球新報社

 県内地銀グループ3社(琉球銀行、おきなわフィナンシャルグループ=OFG、沖縄海邦銀行)の2024年3月期中間連結決算(23年4月~9月)が10日に出そろった。3社合計の連結純利益は前年同期比16・1%減の76億9600万円で、3年ぶりの減益だった。新型コロナウイルスからの経済回復を背景に各社とも強みの分野が収益を支えたが、金利上昇を受けて有価証券の運用では苦戦を強いられ、ベースアップ実施による人件費やシステム改修などの経費増加も利益を下押しした。

 中間連結決算は琉球銀行が増収増益、沖縄銀行を傘下に持つOFGが増収減益、沖縄海邦銀行が減収減益だった。

 3社の売上高に当たる経常収益の合計は7・3%増の671億3700万円、経常利益は13・3%減の109億1900万円。減益だが、コロナ禍前の18年、19年の4~9月期を上回る利益水準は確保した。本業のもうけを示すコア業務純益は18・8%減の75億9400万円。

 米金利の高止まりや、日銀の政策修正を受けた長期金利の上昇で、保有する国債など債券価格が下落し、有価証券の評価損益は悪化。銀行によって一部を処理して売却損を計上したり、外債運用のための外貨調達コストがかさんだりと、運用の難しさに直面した。含み損は計241億円と前年同期比で105億円拡大。金融市場の先行きに不透明感があることなどから、3社とも通期の業績予想を据え置いた。 (當山幸都)