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【記者解説】人手不足感はコロナ前の水準に 中高年の求職が増加 DX、処遇改善などで課題解消を 


【記者解説】人手不足感はコロナ前の水準に 中高年の求職が増加 DX、処遇改善などで課題解消を 
この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲

 県内の2023年の平均有効求人倍率が4年ぶりに1倍を上回り、1・16倍となった。背景に新型コロナウイルス感染症の5類移行で人流が活発化し、観光客や県内消費が増加したことで要員確保に向けた需要が増えたことがある。今後もクルーズ船やインバウンド(訪日客)の増加が見込まれることから、沖縄労働局は県内の雇用情勢は24年も堅調に推移するとみており、人手不足感が一層強まる可能性がある。

 沖縄労働局によると、平均有効求人数は3万3717人だった。有効求人倍率が比較できる05年から過去最高値の1・34倍となったコロナ前の19年平均3万4193人に迫る勢いとなった。

 有効求職者数も増加している。
 ハローワーク登録者のうち、60歳以上の割合が19年12月と比較し23年同月は約1300人増えるなど、中高年層の就職活動が活発化しているものの、企業側の人手不足感はコロナ前の水準に戻っている状況だ。

 雇用情勢の厳しさから企業側がサービスを縮小するなど、逸失利益が生じる懸念が高まっている。

 企業側には中高年層の活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、体制の見直しなどで局面を打開することが求められている。正社員化など処遇改善の動きは広がりつつある。企業側と求職者側のミスマッチをいかに解消していくかも鍵を握る。 (謝花史哲)