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【グラフあり】金秀グループ、スーパーの改装、観光や不動産回復も反映 2期連続の増収増益 沖縄


【グラフあり】金秀グループ、スーパーの改装、観光や不動産回復も反映 2期連続の増収増益 沖縄 金秀ホールディングスのロゴマーク
この記事を書いた人 Avatar photo 新垣 若菜

 金秀グループ(呉屋守将会長、14社1事業協同組合)は24日、2024年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比7・0%増の1046億6900万円、経常利益は同55・1%増の31億7300万円で、2期連続の増収増益となった。19年度以来の連結売上高1千億円超えとなった。観光客の増加や人流の回復、活況な不動産市場など経済活動の好調さが収益につながった。純利益は前期比3・27倍の21億8400万円だった。前期は資産整理による特別損失があったとし、その反動も加わった。

 流通系7社(金秀商事、金秀バイオ、金秀興産、金秀商事不動産、金秀フードサプライ、金秀ファーム、金秀物流)の売上高は同4・1%増の733億4500万円だった。金秀商事はリゾート部門で観光需要の回復を取り込み、スーパー部門では商品力の強化と既存店舗のリニューアル、新店出店効果で好調に推移した。バイオは国内需要、海外向け販売が順調だった。興産はホームセンター事業で来店客数が増加し、プライベートブランドの強化も増収増益につながった。

 建設系5社(金秀建設、金秀鋼材、金秀アルミ工業、金秀鉄工、沖縄ピーシー)の売上高は同11・1%増の334億5200万円だった。燃料価格・資材価格の高止まりによる調達コストの上昇があったが、コロナ禍などで停滞した建設市場の投資先送りとなっていた物件の着工や、底堅く推移した公共工事、民間投資の回復などで明るい兆しが出てきたとした。

 一方、今月10日付でYKKAP(東京)に全株式を譲渡した金秀アルミ工業についての単体決算は「回答を差し控える」とした。

 その他(金秀ホールディングス、かねひで総合研究所、金秀事業協同組合)の売上高は前期並みの39億9600万円だった。

 来期はより経済活動が活発化するとして単体合計で前期比0・7%増の1116億円、経常利益は12・0%増の37億円余りを予想している。

 23年度は前期比5%増の給与改定や賞与増、休日の見直しなど従業員の待遇改善に4億円規模を充てたとした。

(新垣若菜)