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再生医療の細胞、流通一元管理へ実験 由風BIOメディカル×スズケン沖縄薬品 産業化目指す


再生医療の細胞、流通一元管理へ実験 由風BIOメディカル×スズケン沖縄薬品 産業化目指す 由風BIOメディカルの細胞培養加工施設(同社提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 沖縄県内を拠点に再生医療事業を展開する由風(ゆかぜ)BIOメディカル(うるま市、中濱数理社長)は21日、医薬品卸売のスズケン沖縄薬品(南風原町、上原浩司社長)と共同で、再生医療で使う特定細胞加工物の流通に関する実証事業を始めると発表した。今後2年を期間とし、協力医療機関を公募して潜在課題を抽出するとともに、県内での再生医療の普及や産業化を目指す。

 由風BIO社は2023年5月に特定細胞加工物の採取から加工、培養、運搬、患者への投与まで流通プロセスを一元的に管理する日本初のプラットフォーム「HVCT RM」を日立グループとの共同で開発した。

 従来は細胞の個体管理や情報トレースなどを確保するための明確な基準がなかったという。医療機関や細胞の製造、流通企業などの情報連携はメールや電話で行われてきたが、これを一元管理できる仕組み。

 23年10月には厚生労働省から再生医療安全確保法に基づく特定細胞加工物製造許可を取得した。これを受け、医薬品の保管や流通のノウハウを持つスズケン沖縄薬品との提携など半年以上かけて実証に向けた環境を整備してきた。

 実証期間は8月から26年7月まで。現段階では、がん免疫再生医療、多血小板血漿(けっしょう)療養、脂肪由来間葉系幹細胞に関する細胞や細胞加工物を取り扱える。

 由風BIO社の谷正風副社長は「国内一の流通品質を目指して課題を検証し、将来的には県外への流通も視野に入れる」と説明した。県内では再生医療を手掛ける医療機関がまだ少ないため、実証実験を足掛かりに普及に向けた支援も行っていきたいとした。

 (島袋良太)