りゅうぎん総合研究所と沖縄タイムス社は3日、「県内におけるバス・タクシー運転手不足の現状と課題解決に向けた検討」を発表した。バス運転手、タクシー乗務員共に60歳以上が6割以上を占め、高齢化が課題となっているとともに、バス・タクシー乗務員数が過去最低で推移していることに触れ、将来的に公共交通の維持が困難になる可能性などを指摘した。
りゅうぎん総研などは職業としての魅力向上と外国人労働者の受け入れ、二種免許取得支援、県民の公共交通利用促進などを提言し、バス・タクシー両事業者の収益向上の必要性を挙げた。
りゅうぎん総研によると、バス運転手数は減少傾向で、22年度は1641人と過去最低となった。年齢構成は60歳以上の割合が全体の61・8%を占めた。タクシー乗務員数も減少しており、21年度末時点でピークだった09年度の約半分となった。年齢構成は60歳以上が78・1%で大部分を占めており、高齢化は深刻な状況となっている。
タクシー乗務員はコロナ禍での利用者減などを背景に県内では約1千人の乗務員が休職・離職した。タクシーの増車は許可制で一度減車すると増車が難しいことなどから、コロナ禍からの回復を見据え、遊休車両を抱える状況にあるという。運転手不足による供給力低下に加え、遊休車両の維持が経営圧迫につながっている。
タクシー業界は8月30日、遊休車両を活用した「日本版ライドシェア」の取り組みを開始。遊休化車両の活用とライドシェアに参加した一般ドライバーに二種免許取得を促すなど、新たな雇用確保に向けての施策展開も報告された。
(当間詩朗)