われらが行手　國場幸智（大和証券那覇支店長）＜仕事の余白＞

　個人の年金、企業の業績、国家の財政から世界経済まで、将来に大きな影響を与える金融市場の動向は、有価証券投資をする、しないに関わらず、全人類が関係者である。企業決算、金融政策、税制改正、歳出改革、天気やスポーツ、国内外の政策論争・選挙戦など、さまざまなニュースにより金融市場は動く。起きた事象による未来への影響を、全員参加で考える巨大な集合知である。

　有価証券投資の経験が、政治経済への関心をより強く高めることとなる。給与以外の収入は、確定申告の機会を通じて、税負担をより意識させる。リスク・リターンに対する合理的な判断、突発的な事象に対する迅速な意思決定の経験は、その後の人生をより強く生きるための財産となる。現役世代の資産形成は、将来不安への解決策の一つとなる。

　金融教育や投資経験により、世の中に対して俯瞰（ふかん）した視点を得ることで、現代社会に問題意識を持つことにつながっていく。経済が身近なものとなり、国民の政治参画意識が高まること。現役世代が巨大な意思を持ち、世の中に意見を述べられるようになること。合理的な判断でリスク・リターンを測れること。成功体験を通じて、アニマルスピリッツを呼び覚ますこと。金融リテラシーの向上、有価証券投資の普及の先に、そんな未来があると考える。

　みんなで手強い国民になろう。個人が変われば企業も変わる。国も変わる。リスクをチャンスに。将来に楽観を。半年間ありがとうございました！