ウリ科植物などに寄生して被害をもたらすセグロウリミバエの確認が本島北部で相次いでいることを受け、県農林水産部は30日、名護市の北部合同庁舎で対策会議を開いた。同部は10月に本部町でも初めて確認されたことを報告し、防除対策方針を共有した。同部によると、わなでの確認が続き、果実への寄生事例も増えてきているという。
同種は、3月に名護市でわなにかかった成虫が見つかった。本島では初めてのことで、その後、伊是名村、今帰仁村、本部町の計4町村で確認された。
県病害虫防除技術センターによると、10月24日時点で19地点のわなに、計76匹がかかっていた。加えて寄生果も県内で初確認されており、民家の家庭菜園や畑など48地点でヘチマやゴーヤー、トウガンなどウリ科植物が被害を受けた。
会議では、まん延した場合は甚大な被害を及ぼすとして、発生地域での農薬散布や果実除去、また地域住民に露地栽培のウリ科果実の持ち出しをしないよう呼びかける防除対策案を確認した。
同部は「若干広がってはいるものの、本部半島周辺のみで収まっており、一定程度対策の効果は出ている。引き続き防除を強化したい」としている。
今後は、防除体制の構築、発生地域の住民や農家への防除指導を実施する。県が1993年に根絶宣言をしたウリミバエと近縁種であることから、根絶事業として現在も放つ不妊虫などの利用も技術対策として検討しているという。
県は、この種が発生したと疑われる果実を発見した場合は県農林水産部や県病害虫防除技術センターなど関係機関へ連絡するよう呼びかけている。
(新垣若菜)