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学童保育「市町村、学校との連携強化を」 沖縄キリ短大研究会 割高の利用料軽減や施設の充実要望も


学童保育「市町村、学校との連携強化を」 沖縄キリ短大研究会 割高の利用料軽減や施設の充実要望も 県内の学童保育が抱える課題を議論した研究報告会=西原町翁長の沖縄キリスト教学院
この記事を書いた人 Avatar photo 熊谷 樹

 沖縄キリスト教短期大学学童保育研究会はこのほど、県内の放課後児童クラブ(学童保育)の現状と課題を共有する報告会を同大チャペルで開いた。研究者やクラブ運営者、市町村担当者らが登壇し、互いの立場で感じている課題や今後のあり方について考えた。市町村担当者や学童支援員など約80人が参加した。

 研究報告として、同短大保育科の照屋健太教授、糸洲理子准教授、宮平隆央准教授が登壇した。

 照屋教授は県内の学童施設は利用料が割高であるにも関わらず利用率が高く、待機児童も多い現状を報告。年度内でも受け入れ人数が変動するため「実際に困っている家庭の子どもを受け入れできない状況にある」と指摘した。

 糸洲准教授は実際に学童を利用する保護者の声として、子どもが見守られている安心感を評価する一方、利用料の軽減や施設の充実への要望が根強いと説明した。宮平准教授は、事業所の運営形態が多様なため、市町村がその内実を把握しづらい現状があると指摘。市町村の担当課と学校、学童施設が連携を強化する必要性を説いた。

 後半のパネル討議には、たっくたっく代表理事の伊波就子さん、安冨祖小校長の山内久江さん、八重瀬町児童家庭課の喜屋武麗さん、県学童・保育支援センターの垣花道朗さんが登壇した。

 山内さんは施設内に児童クラブがあるメリットとして「気になる子の支援や行事への協力などすぐに動ける」と機動性の高さを挙げる。

 垣花さんは学校内に設置された施設では学校長の判断が運営に影響することを指摘。「数年おきに管理職と調整するのは大変。教育委員会を含めた三者で協定書を結ぶなどの取り組みが求められる」と述べた。

 2市で4つの児童クラブを運営する伊波さんは「同じ事業なのに自治体によって補助金の種類が違う。提出書類も異なる」と話し、市町村間の連携や情報収集を求めた。
  (熊谷樹)