大学入学共通テストが1月13、14日に行われます。夢の扉を開こうと試験に立ち向かう受験生にエールを送ろうと、沖縄出身のお笑いコンビ「スリムクラブ」の真栄田賢さんに応援メッセージを寄せてもらいました。
琉球大教育学部に進学したいきさつや、受験での心の付き合い方について話してもらいました。
(聞き手・高橋夏帆)
正門タッチのススメ。
志望校へ事前に行って慣れておくと、リラックスできると思います。高校受験の時、僕は志望する首里高に受かる自信がありませんでした。それを感じたのか、おふくろが僕を首里高に連れて行ったんです。「3年間ここに通うからこの門を触りなさい」って。
その後、学校近くの食堂や商店に行きました。すると、受験当日は余裕が生まれたんです。大学入試でも琉大に何日間も通って、体と心を慣らしていました。
やめた方が良いのは徹夜です。僕は先日、寝不足で劇場出番でしたが、いつもよりスベりました。僕のせいじゃないです。睡眠のせいなんです。寝た方が人間のパフォーマンスは上がります。寝れない場合はめちゃくちゃ好きなものをめっちゃ食べる。人間、満腹なら寝ますから。
Mー1準優勝にもつながった学び
大学受験は琉球大一本でした。首里高で始めたラグビーで自分自身が変わることのできた経験から、ラグビーの良さを伝える先生になろうと琉大教育学部に進学しました。
ラグビーで良い仲間に出会う中で、体つきも変わって良いプレーができるようになりました。結果、どっぷりはまって沖縄代表に選ばれました。肉体的にも精神的にも変われたことがものすごくうれしくて、自信が持てたんです。この経験を子どもに伝えられたらと思いました。
大学進学で使える知識や感覚が増えて、人間としてパワーアップできました。スポーツ心理学や運動生理学の授業は集中の仕方や筋肉の付け方といった知的好奇心をくすぐられる内容でした。
教育実習などで、何かを成し遂げるためにチームで話し合って理解を深める作業は、大人となった今も生きています。(準優勝だった2010年の)「M―1グランプリ」では、漫才時間4分と限られた中で、何が必要か、自分たちに何が向いているかを相方の内間政成くんと話し合い、感情を伝えることに重きを置こうと決めました。内容を整理するために使っているホワイトボードは、大学でもよく使いました。
不安な自分、否定しないで!
(受験を控え)不安がっている自分を決して否定しないでください。自分が自分の一番の味方になって優しくしてあげてほしいです。
感情はスマホのアプリと一緒でエネルギーを使います。感情を無視して抑えると残ってしまうんです。感情がぱんぱんのままだと脳が働かなくなる。
気持ちをノートに書きだしても良いと思います。自分を理解してあげると余裕が生まれます。対策や対応もできます。自分自身とコミュニケーションを取ってほしいです。
まえだ・けん 1976年3月生まれ。那覇市出身。琉大教育学部卒。大学在学中に内間政成さんと知り合い、後にお笑いコンビ「スリムクラブ」を結成した。