バスケ名将・安里幸男さんが講演 「生徒の長所」着目した指導語る 沖縄市


バスケ名将・安里幸男さんが講演 「生徒の長所」着目した指導語る 沖縄市 高い目標を掲げることの大切さを強調する安里幸男さん=17日、沖縄市与儀の県立総合教育センター
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 県教育研究所連盟は17日、県内で高校バスケットボール部の監督を長年務め、九州、全国の舞台で実績を重ねてきた名将・安里幸男さんの講演会を沖縄市与儀の県立総合教育センターで開いた。安里さんは「主体的に取り組む態度の育成~生徒の心に火をつけるには」をテーマに講演し、「生徒の長所を見つけ、そこを伸ばす指導が大切だ」と強調した。

 定年後に中部の高校で外部コーチを務めた際、スリーポイントシュート(スリー)が得意な選手がいた。だが、任されていたポジションでは、スリーを打たないよう指導されていたという。安里さんは「私はスリーを打ちまくれと言った。その結果、誰もが勝てないと言った試合で、彼がスリーを連続で決めて勝利した」とのエピソードを紹介した。

 目標を高く掲げることの大切さも説いた。初めての外部コーチを母校の辺土名高校で務めた際、「日本のバスケの方向性を示すような試合をしよう」との目標を生徒に伝えた。豊見城南高校では当時全国で常勝を誇った秋田県の能代工業高校を意識し「打倒能代工」、北谷高校では「日本一」を掲げた。

 周囲は「そんなことは無理だ」と笑ったが、後に能代工業には勝利し、全国大会でベスト8以上11回、ベスト4以上5回の実績を残した。

 安里さんは米大リーグの大谷翔平選手が高校生のとき、世界大会優勝の目標を掲げていたことを挙げ「人が笑うような目標でも、諦めず取り組んだから実現できた。勝つため、強くなるために大切なのは、必要な準備をする意欲と行動力を持つことだ」と強調した。

 講演の最後に「教師が変われば生徒が、校長が変われば教師が変わる。教師は生徒の心に、校長は教師の心に火をつけるように頑張ってほしい」と参加者を激励した。

 (外間愛也)