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「沖縄から東大」を当たり前に 県出身学生が団体設立 すでに合格者も 合宿や交流会など開催


「沖縄から東大」を当たり前に 県出身学生が団体設立 すでに合格者も 合宿や交流会など開催 ALOHAが高校生を対象に実施した東大キャンパスツアーの様子=2023年3月、東京大学(伊礼漢さん提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 外間 愛也

 県出身で東京大学4年の伊礼漢(かん)さんが、同大や県外難関大学への進学を目指す県内の高校生らを支援しようと、学生団体ALOHA(アロハ)を立ち上げ活動している。県出身の東大生で構成し、県内の高校と連携して東京での交流会や県内での勉強合宿を実施するなどし、生徒らの学びを支えている。同団体の支援を受けた高校生の中から東大合格者も出ており、成果を上げている。

 伊礼さんがアロハを立ち上げたのは2023年2月。「沖縄の中高生は東大に行けるはずがないと考え、始めから進学の選択肢に入れていないことが多い。そこを変えたかった」。同じ思いを持つ後輩と活動を始めた。

 県出身の東大生が少ないこともあり、高校時代、受験対策でどのような勉強をすればいいか、参考書は何を使えばいいかなど、学校でも塾でも明確な情報が得にくかったという。課題解決のため、自分たちの経験を広く伝えたいと考えた。

ALOHAのメンバーら。左が代表の伊礼漢さん=6月、東京都内(伊礼さん提供)
ALOHAのメンバーら。左が代表の伊礼漢さん=6月、東京都内(伊礼さん提供)

 現在、会員は13人まで増え、県内複数の高校と連携してさまざまな活動に取り組んでいる。

 高校生らに東京を訪れてもらい、東大の見学や東京の企業訪問、県出身東大生との交流をしたり、会員を沖縄に派遣して試験対策などに集中して取り組む勉強合宿を実施したりしている。オンラインでの面談は随時実施しており、高校生らに助言する体制を整えている。

 団体のキャッチフレーズは「沖縄から東大を、日常に」。毎年2桁の県出身者が東大に合格し、沖縄から東大を目指すのが当たり前になることを目標にしている。将来的には団体をNPO法人化し、活動を後輩に引き継ぎながら沖縄の高校生を支援し続けられる好循環をつくりたい考え。

 伊礼さんは「東大は日本一の環境があり、そこで学んだ学生が沖縄や全国、世界で活躍し、また沖縄に還元できるような流れがつくれたらうれしい」と夢を描いている。

 アロハの支援を受けて東大に合格し、会員として活動に携わる1年の我喜屋奏利(かなと)さんは「オンライン面談で県出身の先輩から東大の生活や自身の経験を教えてもらい、東大進学のイメージが明確になった。今度は自分が後輩たちに伝えていきたい」と思いを語った。

 活動の詳細は「学生団体ALOHA」で検索。

 (外間愛也)