読む力、書く力、理解力… 学校9割「新聞で児童生徒の力伸びた」 教員の指導力向上も 日本新聞協会調べ


読む力、書く力、理解力… 学校9割「新聞で児童生徒の力伸びた」 教員の指導力向上も 日本新聞協会調べ 学校の教室(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 実倫

 日本新聞協会は11日、NIE(教育に新聞を)に取り組む学校を対象に実施した学習効果調査の結果を発表した。NIEの実践で、「読む力」「書く力」「理解力」など、児童生徒の力の伸びの変化について「伸びた」と答えた学校が9割前後だったほか、教員の指導力が「伸びた」と回答した学校も9割に上ったことが分かった。

 調査は2024年1~2月、23年度NIE実践指定校と新聞協会認定のNIEアドバイザーが在籍する全国の小中高校と特別支援学校を対象に実施した。計581校(小学校229校、小中連携10校、中学校185校、中高連携22校、高校・高専122校、特支13校)が回答した。

 児童生徒の力の伸びの変化について「伸びた」と回答した学校は、「読む力」が最多の94%、次いで「理解力・考えを深める力」が93%、「書く力」が92%、「主体性」が90%、「聞く力・話す力」が87%だった。教員の指導力については91%が「伸びた」と回答した。

 NIEの実践頻度と力の伸びの相関関係では、週1回以上実施している学校ほど「伸びた」と回答した学校の割合が、全体平均より5ポイント以上高くなった。

 NIE実践後の自由記述について、児童生徒の力の変化では「長い文章への抵抗感が薄くなった」「読み手を意識して分かりやすく書けるようになった」などの回答があった。教員の指導力では「新聞の教材化を考えることで、深い教材研究や創意工夫につながった」などがあった。

 県NIE推進協議会の仲村守和会長は「NIE活動の実践の効果を、現場の教員の声で検証できたのは大変意義深い。子どもの学力だけでなく、教員の指導力の向上につながっていることも大きい」と話した。

 NIEアドバイザーの比嘉美保教諭(鏡が丘特別支援学校)は「NIEを授業に活用することによって、子ども自ら紙面の内容や写真に興味を持ち、自然と新聞を読もうとする動機付けになっている。特支では、紙面の写真を使うだけで、児童生徒の想像力を高めている」と強調した。

(金城実倫)