■ブランドとの相性が大事
Q:ショップの立ち上げの経緯について。
A:高校生の頃から洋服が好きで、30歳までに店を開くことが目標でした。目標通り30歳で、宜野湾市大山に店をオープンしました。ストリートブランドを中心に、海外で流行中のブランドや、街で見かけたかっこいいブランドを現地で買い付けていました。今振り返れば、どこにでもある買い付けの洋服屋だったと思います。
開店から2年がたった時、取扱店として契約していた米ロサンゼルスのストリートブランド「RIPNDIP」から、日本の正規代理店にならないか誘いがありました。2013年に正規代理店になり、そこからはまだ日本にない「かっこいい」ブランドを開拓するようになり、店のスタイルが生まれました。国内唯一の正規代理店として契約することで、オンラインでも販売が可能になりました。現在は米ロサンゼルスの「RIPNDIP」、「CARROTS BY ANWAR CARROTS」、ニューヨーク「BELIEF NYC」の3ブランドの国内唯一の正規代理店です。
ブランドを選ぶとき、店との相性が大切です。相性が合わないブランドとは、メリットが大きくてもコラボはやりません。ブレないことも大切にしています。そのブランドが「かっこいい」ことはもちろん、そのブランドに関連している人たちの生活スタイルがかっこいいかも重要です。
■チャンスは突然だから…
Q:店舗運営で心がけていることは。
A:店の中でディスプレーを考えたり、SNSでの発信に力を入れるだけでなく、店の外での動きや外への発信を意識しています。これまで県内外各地でポップアップや、国内外のアーティストとコラボなどを行ってきました。店の差別化にもなっていると思います。
コラボやイベントのチャンスは、いきなりやって来るので、自分たちがそのチャンスを生かせる器になっているのかは、常に意識して毎日の業務に集中しています。いただいたコラボのチャンスで、商品が売れなかったり、企画自体が良くないものだったら、次のチャンスがなくなってしまいます。普段からSNSの写真の見せ方や、オリジナル商品の企画や品質の向上など、社員みんなと常に意識し取り組んでいます。そうすることで実績を積み重ねて、次にコラボをするブランド側からも信頼してもらいやすくなると思います。
Q:店のスローガン「Supported By Locals」について。
A:オープンして3年目に、店のスローガン「Supported By Locals」(ローカルに支えられている)を作りました。当時、店の知名度もなく全然売れない時期があったのですが、その時に米軍基地の高校生が常連客としてよく店に来てくれました。私たちが取り扱うブランドはほとんどがアメリカのブランドのため、「アメリカの通販で買った方が安いよ」と、通販での購入を正直に勧めました。ですが、その高校生が「ローカルの応援がしたいから、Chocolate Jesusで買いたいんだ」と言ってくれたんです。こういった地元のファンに助けられて成り立っていると実感した瞬間でした。
そこから店としてこの言葉を言い続けるようになり、ターゲット層は常に地元客でした。コロナで大変な時も、地元のお客さんに支えられました。
■ECサイトをグローバル化
Q:今後の戦略について。
A:ストリートブランドの日本市場は、人口が少ないですが海外ブランドからは重要視されています。現在海外でストリートブランドを作っている創業者たちは、1990年代半ばから2000年代にかけて日本のストリートブランド「A BATHING APE」など裏原宿系ファッションが流行した時代に、日本にあこがれ、日本を見てきた人が多いんです。そのため市場としては日本は注目度が高いです。
その中でも沖縄は、ストリートカルチャーの人気が根強く、若者の活気があります。沖縄のヒップホップシーンが盛り上がっていることも影響しているはずです。ですが、県内市場は規模が小さく、ビジネスの展開は限界があります。観光客需要やECサイトでの需要は巻き込まなければいけません。
現在、ECサイトをグローバル化しようと取り組んでいます。世界各国の言語や通貨に対応し、海外向けの販売も行います。Chocolate Jesusのオリジナル商品も、ブランド化し、海外展開する予定です。コロナ次第ではありますが、早くて来年から、台北、バンコク、シンガポールなどアジア圏でポップアップを仕掛けます。季節ごとに年4回コレクションを展開し、いずれはアメリカでもポップアップを行うことが目標です。沖縄発のストリートブランドを作りたいと思っています。
2021年は、Chocolate Jesusにとって10周年に当たります。できる範囲で企画を打ち出したいと考えています。店の社員は、全員が元常連客で、店が好きなメンバーです。そんなメンバーと共に、必死に努力しここまで来ました。仲間と共に成長し、目標を達成し続けたいと思っています。
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