辺野古に陸自部隊を常駐 米海兵隊と極秘合意、「独走」に内部からも批判


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キャンプシュワブ=2020年9月、名護市辺野古(小型無人機で撮影)

 陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで2015年、極秘に合意していたことが24日、日米両政府関係者の証言で分かった。シュワブは、米軍普天間飛行場の移設先として埋め立てが進む辺野古新基地と一体運用される。日米の共同利用が実現すれば沖縄の負担がさらに増え、強い反発が予想される。

 防衛省全体の決定を経ずに合意されており、背広組の内部部局からは、文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱した“陸の独走”との批判もある。陸自が方針を決めたプロセスも問題になりそうだ。辺野古移設を巡る政府と沖縄県の対立で凍結されているが、陸自は、中国との緊張関係が続く尖閣諸島での有事対応を念頭に放棄していない。

 関係者によると、18年に長崎県佐世保市の相浦(あいのうら)駐屯地を拠点に発足した水陸機動団に関し、陸自の中枢、陸上幕僚監部は12年、編成に向けた検討を開始。団は三つの連隊で構成し、一つは尖閣への即応態勢を取るため沖縄に配置すると決めた。一つの連隊は約650人という。

(共同通信)

<社説>シュワブ共同使用合意 文民統制逸脱する暴挙だ

<負担軽減に逆行> 沖縄県「機能強化を裏付け」

<地元反応>名護市民「恐ろしい事態」