玉城デニー知事と記者のやりとりは以下の通り。
Q:ジェンダーギャップ指数が低い日本の現状をどう見るか。
「『男性優位の社会の仕組み』は、沖縄においても、実社会やそれから家庭でも見受けられる。男女が対等に意思決定に関わることはあらゆる場面において非常に重要なので、ジェンダー平等の実現に県としてもしっかり取り組んでいきたい」
「女性管理職については、2020年度までに登用率を15%にするという目標を掲げた。その結果、それぞれの職場で女性管理職の存在が当たり前になりつつある。業務や分野によっては、職員の男女比に偏りが見られるのは致し方ない。性別を人事配置の判断材料としたという結果では決してない」
Q:ジェンダーバイアスについてはどう認識するか。
「社会制度やこれまでの慣行の中には、性別による固定的役割の分担意識を前提とするものが、数多く残されている。多様な生き方を選択することを妨げている。僕もかつては『男らしい男になりたい』と思っていた」
Q:「女性力」の課名では、なぜ女性だけそういうくくり方をするのかと違和感がある。
「全ての女性の皆さんが自分らしく、活躍していけるようにという思いも含めて、『女性力』という名前を課名に入れた。将来的にジェンダー平等が当然になれば、『何力』っていうのは必要なくなると思う」
Q:知事の言動にもジェンダーバイアスを感じる時がある。例えば、夜遅くまでの取材に女性記者がいたら、『女性を遅くまで働かせてはいけないよね』と発言していた。
「僕は誰でも遅くまで働く必要はないという、そういう考え方だが、そこはバイアスがまだ残ってるんだろうな。『男は多少無理してでも』って。自分の中で無理が利く程度であれば、ちょっとサポートしてあげたいという気持ちになる。例えば、台所に立つのが苦じゃないんで、かみさんが、料理を作ったときに『なんか俺やることある?』って普通に声を掛けたりしますし」
Q:男性中心社会を変えていくために必要なことは。
「(取り組みを)『見える化』していくことだ。当事者や有識者の方々からもしっかりと意見を聞いて、それを施策に反映させて、県民にフィードバックしていくことだ」
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