1958年の台湾海峡危機の際に米政府が中国本土への核攻撃を検討した際、米軍幹部が沖縄への報復攻撃を容認する意向を示していたことが25日までに分かった。ベトナム戦争を巡る米国防総省の秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を暴露した元同省職員のダニエル・エルズバーグ氏が米紙ニューヨーク・タイムズに提供した文書に記載がある。
文書は、沖縄返還交渉にも携わったモートン・ハルペリン氏が66年、58年の台湾海峡危機について執筆した。当時の太平洋空軍司令官は中台間の争いが激化した場合、中国本土の空軍基地を目標に、核による先制攻撃の承認を要求した。まずは10~15キロトンの小型核爆弾を使って中国のアモイ地域を攻撃する算段だった。
当時の統合参謀本部議長は、それで中国が引かなければ「北は上海に至る中国の奥まで、核攻撃を行うほかない」と主張した。そうなった場合、核攻撃を含む報復は「ほぼ確実」とし、対象に沖縄も含まれる可能性を説明している。
注釈として、中国がソ連から核兵器を入手するのか、ソ連が攻撃するのか議論されていなかったとし「核による報復は深刻な可能性としては捉えられていなかったようだ」と記されている。
【関連記事】