沖縄県内の選挙で初めて性的少数者(LGBTQなど)の当事者であることを公表し、那覇市議選に立候補した、無所属・新人の畑井モト子さん(41)は1119票を獲得したが、当選には至らなかった。人権や動物愛護の問題などに力を入れ訴えた。落選を受け、支援者を前に「悔しい」と涙をこぼし「人も動物も安心して暮らせる街にしていきたい。生きづらさを抱える人に寄り添いたい」と変わらぬ思いを語った。支援者は「一石を投じた」とねぎらった。
畑井さんは戸籍上は女性だが、性自認は男女どちらとも言い切れない「エックスジェンダー」。当事者の視点から、差別やアウティング(他者による性的指向の暴露)などを禁止する条例制定、犬や猫の不妊去勢手術の助成、地域と共存した商店街づくりなどを有権者に訴えた。
11日夜、那覇市松尾の選挙事務所で、支援者と共に開票所の中継を見守っていたが、12日午前1時ごろ、40人目の当選者が決まり、落選。悔しさをかみしめながら「当事者の声ほど強いものはない」と述べ、差別の無い社会に向けて今後も声を上げていく決意を新たにした。
▼那覇市議選、野党躍進19議席 与党は1減14議席「オール沖縄」に打撃