【動画】未確認浮遊物体、ふたたび 〜ヒメダンゴイカ〜 <沖縄・海の生き物たち Vol. 42>


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お団子みたいな体、器用な細い腕に注目!

潮だまりで、またもや不思議な物体を見つけました。1cm程度の小さな茶色いかたまりが、結構素早く水中を飛ぶように移動しています。何だろう…と見ているうちに、今度は海底に下りて、砂に潜り始めました。体をゆすって砂に体を潜り込ませます。でも、全部は潜りきれずにまだ体が見えているなーと思っていたら、左右から二本の細い腕を出して、器用に自分の体に砂をかけて完全にカモフラージュ!

この生きものは、ヒメダンゴイカ。体が丸っこいのでタコのようにも見えますが、泳ぎの上手なイカの仲間です。泳いでいるときも足を下向きにすぼめているので、上から見る限りは本当に小さなお団子のよう。いわゆるイカの形には見えません。体の割に大きな目ん玉、そして透明なヒレは丸い形で、体の横についています。まるで耳があるみたい。

ヒメダンゴイカは岩礁のある浅瀬に住み、繁殖時にはオスがメスの気をひくために、色々なディスプレイをするそう。見てみたいなぁ。でも交接と産卵の後は、割とすぐに短い一生を終えてしまうそうです。だったら、このイカに出会えたのはラッキーかな?

小さくても、ちゃんと命を次につなげていく生きものたちが、目の前の海にいる。また会いに来よう、そして、彼らが暮らす浅瀬を大事にしよう、と思うのでした。

Vol. 42 ヒメダンゴイカ

Sepiola parva

● 目:頭足目 Cephalopoda

● 科:ダンゴイカ科 Sepiolidae

● 属:ダンゴイカ属 Sepiola

 

動画撮影: 

ヒメダンゴイカ 2021年4月27日(浦添市 西海岸パルコ前)

動画撮影・編集&執筆

鹿谷法一(しかたに・のりかず しかたに自然案内)

琉球大卒、東大大学院修了、博士(農学)。広島に生まれ、海に憧れて1981年に沖縄へ。専門はカニなどの甲殻類。生き物の形とはたらきの関係に興味がある。最近は、沖縄の貝殻を削って磨くシェルクラフトを行っている。

鹿谷麻夕(しかたに・まゆ しかたに自然案内)

東洋大、琉球大卒。東大大学院中退。東京に生まれ、20代半ばでサンゴ礁に興味を持ち、1993年に沖縄へ。2003年より、しかたに自然案内として県内で海の環境教育を始める。しかたに自然案内代表。手作りぬいぐるみで海を伝える、あーまんシアターも主宰。

 

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