沖縄県の謝花喜一郎副知事は27日、県庁で県議会共産党会派から新型コロナウイルスに関する緊急要請を受け、自宅療養者の受け入れに向け、体育館など広い場所を利用した臨時の医療施設の設置に前向きな姿勢を示した。県は那覇市と調整を始めている。設置時期は未定だが、早ければ9月にも設置したい考えという。場所、受け入れ可能病床数は現時点では不明。
謝花副知事は「臨時の医療施設の設置は前向きに検討したい。新たな施設は、仮に医療機関の病床逼迫(ひっぱく)が収まったとしても、閉めずに置いておきたい」と説明した。医療従事者の確保に課題もあるとした。
謝花氏によると、新たな臨時医療施設は、自宅療養者対策として本島内と沖縄市に設置する「入院待機ステーション」とは別に、厚生労働省が全国都道府県に要請した、体育館などを使う臨時施設を想定している。関係者によると、中等症の患者を治療する想定だが詳細は検討中。関係者は「状況は逼迫している。課題は多いが急いで検討していきたい」としている。
渡久地修県議は「那覇市の大規模施設では那覇市民体育館がある。市とやりとりしているが、県からの要請があれば協力できるとの姿勢を示していた。医師の派遣も輪番制ならば開業医も協力しやすくなるのではないか」と話した。
共産会派は要請で、PCR検査や抗原検査の拡充、ワクチンの確保と迅速な接種などを求めた。謝花副知事は「全部必要で、全てやる決意だ」と強調した。
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