玉城デニー知事は9日、沖縄県庁で会見を開き、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が9月末まで延長されたことを受け、県の対処方針を発表した。玉城知事は県内の感染状況はピークを過ぎたが、医療機関は外来診療制限を続けるなど厳しい状況が続いていると説明。県民に対し、9月下旬のシルバーウイーク期間中も同居家族のみと過ごし、行事参加を控えることなどを要請した。一方、経済活動再開時に向けた三つの重点プロジェクトを示した。
政府は9日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、緊急事態宣言発令中の21都道府県のうち東京、大阪、沖縄など19都道府県の期限を12日から30日まで延長すると決定した。
宣言延長に伴い、県は大型商業施設に対する土日祝日の休業要請、県立施設の原則休館、飲食店などに対する酒類提供停止と時短営業要請、不要不急の外出自粛、県外や離島間の往来取りやめの要請などを30日まで継続する。
県立学校は地域の感染状況を踏まえて30日まで分散登校などを実施する。部活動は全国や九州大会につながる県大会などに出場する場合に限り、学校長の許可を得た上で大会2週間前から条件付きで練習することができる。
経済活動再開に向けた重点プロジェクトでは、ワクチン接種や陰性判定の証明書を活用した取り組みを検討するプロジェクトチーム(PT)を立ち上げる。このほか、希望する教職員・児童生徒に対するワクチンの優先接種に向けた協力要請を含んだ「子どもを守るプロジェクト」、「ワクチン接種の促進・機会拡大プロジェクト」を掲げた。
玉城知事はワクチンの接種証明書について「デジタル化の前に、アナログでどう活用ができるのかも検討したい」と、紙の接種券の活用も検討するとした。
県は経済活動の再開に向けて、宣言解除は1日の新規感染者数を200人程度に抑える必要があるとした独自の目安を示していたが、国は新たに医療提供体制の改善を重視する基準を示した。玉城知事は「国の緩和基準と県の目安の整合性を取る必要があると思う」と述べた。
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