新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、沖縄県内26市町村の小中学校で少なくとも約2600人の児童生徒が感染への懸念などを理由に登校を控えていることが分かった。本紙が全市町村の教育委員会に取材した。登校を控える児童生徒が「いる」と回答した26市町村のうち、詳細な人数を把握していなかったり公表を控えたりした自治体が7市町村あり、実際の登校控えの人数はもっと多いとみられる。
多くの市町村で学校が再開した8月下旬以降の状況を、9月2~9日に電話取材した。児童生徒の登校控えは市部では数百人規模、小規模離島などでも人数は少ないが確認されている。
登校を控える子にオンライン授業を受けさせる市町村がある一方で、オンライン授業が未整備の市町村も少なくない。学校現場の対応が追いついていない状況がうかがわれ、「学びの保障」に地域差が生じている。
6日から町内ほとんどの学校で分散登校を実施している八重瀬町の担当者は、学校によって異なるとしつつ「(登校控えの子は)オンライン学習で対応している。自宅の通信環境が整っていない子は、学校で課題に取り組む。オンラインが難しい小学校低学年にはプリントを配布している」と説明した。
宜野湾市の担当者は「オンライン授業は未実施だが、保護者から実施してほしいとの要望がある」と話した。
那覇市内の40代男性は、妊娠中の妻への感染を恐れ、小学生の息子の登校を控えさせている。妊婦の感染が増える中、学校も大事だとしつつ「人が集まり密になると感染しやすくなるのではないか」と心配する。
学級の10分の1の児童が登校を控えているという本島中部の小学校に勤務する30代の女性教諭は、学級内の学びの差に気をもむ。「登校控えの子どもの中には生活リズムが崩れ、時間になってもタブレット端末に接続しない子どももいる。個別指導をする機会も時間も持てず、学級内で習熟度にばらつきが出てしまう」と懸念を示した。
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