新型コロナウイルスの緊急事態宣言が沖縄県に発令されて4カ月になった。
那覇市の国際通りや周辺の商店街では22日、日傘を差す人や土産物を選ぶ団体客らがいた。一方、居酒屋など一部店舗ではシャッターを下ろした状態が続いている。「宣言期間中は臨時休業します」などの文言が書かれた張り紙も目立っていた。
「観光客はいるにはいるが(コロナ禍前は)こんなもんじゃないよ」。市場本通りにある土産物店従業員の50代男性は渋い顔でつぶやいた。コロナ禍が直撃する中、この4カ月は特に客足は最悪だという。「22日も朝から営業し、昼ごろまで接客したのは3組だけだ」。人でごった返していた景色を懐かしむように通りを見詰めた。
臨時休業を続ける久茂地の居酒屋「七福神」は8月2日から、新たな収入源とするため総菜や野菜を店頭で販売している。店主の照屋雅之さん(47)は宣言期間中、異業種で働く人々と意見交換し、新たな商機を模索している。「今しかできないことをやって、解除後の準備をしたい」と前を見据える。
緊急事態宣言に伴い時短、休業要請に従ってきたが、通常営業に踏み切った飲食店もある。7月13日、那覇市泊の居酒屋「とりからたまご」は「もう限界です。通常営業再開します」と書かれた垂れ幕を店頭に掲げた。店主の福本考平さん(35)は「苦渋の決断だった。本当は県の要請に従いたい」と胸の内を語った。資金繰りが厳しくなったのが原因で「営業しなければ従業員も生活していけない。県や国は支援策を打ち出してほしい」と訴えた。
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