1.7メートルの巨大「ヨウリンウミヘビ」を沖縄で確認 国内で初


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国内で初めて確認された「ヨウリンウミヘビ」(沖縄美ら島財団総合研究センター提供)

 【北部】沖縄美ら島財団(本部町)と琉球大学熱帯生物圏研究センター(西原町)の研究グループは、国頭村近海で採集した全長約1.7メートルの巨大なウミヘビが日本初記録の種類であると明らかにした。葉形状になっている腹のうろこにちなみ、和名「ヨウリンウミヘビ(葉鱗海蛇)」を提唱した。今回の発見で、同種の分布の北限が47年ぶりに北東方向に約900キロ拡大された。24日に発表した。

 今年3月30日、国頭村近海で国頭漁協関係者が捕獲した。全長約1.7メートル、胴回り25センチ、体重約3.6キロのメスで、県内に既に確認されている他種と比べて大型。外部形態の確認とミトコンドリア遺伝子の解析を行い、日本で発見記録がない種だと判明した。従来はオーストラリアから台湾に分布するとされていた。

 個体の胃からはハリセンボンの仲間が丸飲みされた状態で見つかった。ウミヘビがハリセンボンの仲間を捕食した記録はなく、今回の事例が世界初だという。

 同種には人が死亡するほどの毒性がある。毒を注入できる牙の長い個体もいて、薄手のウエットスーツを貫通したとの報告もあるという。

 沖縄美ら島財団総合研究センター動物研究室の笹井隆秀さんは「琉球列島の生物多様性が改めて示された。今後もウミヘビの生態解明に関わる調査・研究を進めていきたい」とコメントした。研究内容は8月、学術雑誌「Current Herpetology」に掲載された。

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