沖縄総合事務局(田中愛智朗局長)は21日、ダイビングスポットとして国内外の観光客に知られる恩納村の真栄田岬海域について、マリンレジャーなどの利用を制限する実証事業を行うと発表した。11月8日~12月6日の約1カ月間、海域に入るには事前の届け出が必要となり、利用できる時間や人数にも制限を設ける。真栄田岬では急増する観光客の利用によってサンゴ礁の劣化や、周辺地域で違法駐車などの問題が生じており、総合事務局は実証を通じて今後の対応策の在り方について検討する。
沖縄総合事務局によると海洋区域の利用に制限をかけるのは県内初で、全国でも珍しいという。真栄田岬にはダイビングやシュノーケルで人気のスポット、通称「青の洞窟」がある。
増えすぎた観光客が地域の自然や住民生活に負の影響を及ぼす「オーバーツーリズム」が世界的な課題となる中、真栄田岬周辺でも海の環境や生活道路の渋滞といった問題が顕在化していた。総合事務局は持続可能で高付加価値な海洋観光を推進していくため、実証事業の実施に踏み出した。
実施地域は、青の洞窟を含む恩納村真栄田区と山田区にまたがる海域。実証期間中、海域に入場するマリンレジャー事業者や一般利用者らは、施設管理会社に届け出を提出することが求められる。真栄田岬公園駐車場や海域の混雑状況を改善するため、利用時間を1人(1隻)あたり100分に設定し、同一時間帯の海域利用者数を200人と制限する。
さらに、損傷しやすい種類のサンゴ礁が生息する一部区域を「侵入禁止区域」に設定する。侵入禁止にすることに伴う環境保全の効果について、隣接する区域との比較検証も行う。
1カ月の実証実験で得られた課題を整理し、自治体や関係事業者らでつくる協議会で今後の対応などについて検討する。
21日に那覇市の沖縄総合事務局で開いた定例会見で、米山茂運輸部長は「利用者に対して協力を求める形で実証事業を進めていく。まず実証して運用上の課題を検証していきたい」と話した。
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