前回衆院選の結果を振り返る 沖縄1~4区地域ごとの得票率<データで見る衆院選>


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 31日投開票の第49回衆院選には、沖縄の4選挙区に前職6人、新人5人の計11人が立候補している。全4選挙区で、公明党と協力して選挙戦を展開する国政与党の自民党候補と、玉城デニー知事の支援を受ける国政野党系が出馬している。前回衆院選の結果や投票率の推移、比例代表の得票率など各種データをまとめた。 (’21衆院選取材班)

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 沖縄1区は、共産の赤嶺政賢氏が6万605票を獲得して勝利した。自民の国場幸之助氏は北大東村の7割強を得票するなど広く離島で強さを見せ、下地幹郎氏は久米島町で4割を占めるなど多く票を取った。事実上の三つどもえだった。31日投開票の今回衆院選も前回の選挙と同様の構図だ。

 前回は有権者の9割超を占める那覇市で赤嶺氏が40.6%を取った分、全体の得票も伸ばした。那覇市の得票は国場氏が35.7%、下地氏が22.0%だった。有権者数が多い那覇市での得票が勝敗を左右することが分かる。

 

 沖縄2区は、社民の照屋寛徳氏が自民の宮崎政久氏との一騎打ちを制した。照屋氏は9万2194票、宮崎氏が6万4247票だった。選挙区を構成する全8市町村で照屋氏が多く得票した。宮崎氏は宜野湾市や嘉手納町で比較的、票を集めた。宮崎氏は比例復活できなかったが、自民党の園田博之氏(比例九州ブロック)の死去に伴い、18年11月に繰り上げ当選した。

 今回の衆院選では宮崎氏と、照屋氏の後継で社民新人の新垣邦男氏、維新新人の山川泰博氏、NHK党新人の中村幸也氏が立候補している。

 

 沖縄3区は、2019年に補選があり、立民の屋良朝博氏が7万7156票を獲得し、5万9428票を取った自民の島尻安伊子氏を下した。屋良氏は沖縄やうるま、名護の各市で6割弱を集めた。島尻氏は国頭と伊平屋、伊是名の3村で屋良氏に20ポイント以上の差を付けている。

 今回の衆院選も補選と同じく屋良氏と島尻氏の一騎打ちとなる。序盤の情勢調査によると、両者の補選での得票率より差は縮まり、競っている。投票先を決めていない有権者や無党派層の票を獲得しようと激しい選挙戦を繰り広げている。

 

 沖縄4区は、事実上の一騎打ちで、自民の西銘恒三郎氏が8万2199票を取って当選した。名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」系候補が2017年の衆院選の選挙区で唯一敗れたのが4区だった。西銘氏は宮古島市や多良間村、与那国町などでそれぞれ6~7割を占め「オール沖縄」勢の仲里利信氏に差を付けた。離島は全て西銘氏が仲里氏を上回った。仲里氏は南城市や南風原町で過半数を獲得したが、全体で及ばなかった。

 今回は西銘氏に対し、立民新人の金城徹氏が挑む構図となっている。

 


 

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