辺野古抱える沖縄3区で自民勝利 基地問題、名護市長選への影響は?


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍キャンプ・シュワブの新基地建設工事現場=8月、名護市(小型無人機で撮影)

 衆院沖縄4選挙区のうち1、2区は名護市辺野古の新基地建設反対を掲げる「オール沖縄」勢力候補が、3、4区は日米合意に基づく辺野古移設を掲げる自民候補がそれぞれ当選を確実にした。名護市を含む3区での自民候補勝利に、国は「地元の容認」と捉え、新基地建設工事を強行する姿勢を強めそうだ。

 新基地建設反対を掲げる「オール沖縄」にとって、3区で議席を失うことは大きな打撃だ。「オール沖縄」の枠組みで辺野古反対の候補を擁立し始めた2014年の衆院選以降、3区で初の敗戦となり、「地元の反対」を訴える議席を失った。玉城デニー知事の「お膝元」での敗北は今後の県政運営にも影響する。来年1月の名護市長選への影響も大きい。前回18年の市長選は新基地建設の「裁判の行方を注視する」とした現職が、反対を訴えた前職に勝利した。事実上の容認姿勢を取り、国の再編交付金による事業推進を掲げて2期目を狙う現市長側に3区での勝利は弾みとなる。

 新基地建設を巡り、国は埋め立て予定区域の軟弱地盤改良工事などの設計変更を申請。県は不承認とする姿勢だが、国は県の不承認を無効化しようと行政不服審査法などで対抗し、裁判闘争に移行する見込みだ。

 今衆院選は1区と、普天間飛行場のある宜野湾市を含む2区で新基地建設に反対する候補が勝利した。2区の有権者は県内移設を拒否した形であり、政府には、県との協議など丁寧な対応が求められる。

【関連ニュース】

▼「オール沖縄」苦戦 議席減、玉城県政に痛手 コロナで「辺野古」埋没

▼【記者解説】衆院選沖縄1区 三つどもえの戦い、赤嶺氏の勝因は?

▼【記者解説】衆院選沖縄2区 新垣氏の勝因、宮崎氏の敗因は?

▼【記者解説】衆院選沖縄3区 島尻氏の勝因、屋良氏の敗因は?

▼【記者解説】衆院選沖縄4区 西銘氏の勝因、金城氏の敗因は?