世界自然遺産に空包580発 北部訓練場跡 発見の宮城さん「生物に影響」


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宮城秋乃さんが米軍北部訓練場跡地で発見した未使用の空包約580発=10月31日、国頭村(宮城さん提供)

 【国頭】廃棄物問題を調査しているチョウ類研究者の宮城秋乃さん(43)は10月31日、2016年に返還された米軍北部訓練場跡地で未使用の空包約580発を発見した。宮城さんによると、現場は沖縄県国頭村の世界自然遺産登録地。宮城さんは生物などへの影響を懸念し「早く片付けて」と訴えた。

 空包の多くは土に埋もれていた。付近には弾薬箱、バッテリー、野戦食の袋などの廃棄物も散乱し、米軍が訓練を実施したとみられる形跡があった。ヒメハブやクロイワトカゲモドキなどの生物も確認された。

 宮城さんによると、現場付近で日本側による調査や除去作業が行われた様子はなく、空包約580発を掘り起こした後も、金属探知機が鳴りやまなかったという。地中に大量の廃棄物が残っている可能性がある。

 宮城さんは「危険物がたくさん残っている状態で自然遺産が登録されている。とても不自然だ」と指摘した。


 

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