軽石問題で沖縄県が対策会議設置へ 再利用が可能か検討も


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沖縄県庁

 小笠原諸島の海底火山噴火の影響とみられる大量の軽石が沖縄県内各地の沿岸部に漂着している問題を巡り、県は15日の幹部会議で、玉城デニー知事をトップとする「県軽石問題対策会議(仮称)」を近く立ち上げ、全庁的に情報共有や、対策の進ちょく管理を進める方針を固めた。県幹部によると、漂着した軽石を本島内の複数カ所で採取し、県衛生環境研究所が有毒物質の有無を調査しており、近く結果が出る見通し。対策強化に加え、軽石の再利用が可能かについても検討を進めていく。

 軽石問題を巡り、県は環境や観光、土木などの関係部署で「緊急対策チーム」を立ち上げ、2回にわたって会議を開き、被害状況を確認してきた。

 しかし、今月初旬に今帰仁村の運天港に軽石が大量に漂着し、フェリーの運航が止まるなど、住民生活への影響が深刻化。離島航路の急患輸送などへの懸念も上がり、保健医療部や企画部などを含めて、全庁的な対策が必要だと判断した。

 県三役や部局長による対策会議の下に、課長級の幹事会、班長級のワーキング会議を立ち上げて情報共有を密にする考え。担当部局は「スピード感を持って対応したい」としており、早ければ週内にも詳細を決定し、議論を進める。

 軽石の再利用を巡り、本島北部、南部に漂着した軽石を複数カ所で採取し、人体に有害な金属成分の溶解度や含有量について、分析を進めている。基準値を下回った場合、営農や土木分野で資材として利用できるか検討する。

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