宮古島でも軽石確認 防御のオイルフェンス在庫わずか100メートル


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浦底漁港堤防の消波ブロック付近で漂う軽石とみられるもの=20日午後、宮古島市城辺福里

 【宮古島】小笠原諸島の海底火山噴火の影響で大量の軽石が県内に漂着している問題で、20日、宮古島にも軽石とみられるものが漂着した。宮古島東海岸に位置する市城辺福里の浦底漁港の沿岸部に、十数メートル四方の塊が帯状となって海面を漂っているのが確認された。保良漁港など市内複数箇所でも最大2センチほどの軽石が砂浜に打ち上げられている。 

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 同日、浦底漁港や保良漁港を確認した座喜味一幸市長は「まだ船の航行や養殖など水産業に影響を及ぼす量ではないが、これから(漂着量が)増える可能性もある」として被害防止対策を急ぐ考えを示した。

 宮古島漁業協同組合によると、19日には浦底漁港の反対の方角に当たる来間島の南南東約18キロ沖合でも付近を航行した漁業者が確認した。宮古島では、すでにモズクとアーサの植え付けを始めている養殖業者もいる。同漁協の栗山弘嗣組合長は「予想がつかないが、被害を最小限にするために行政と連携をとって取り組んでいく」と話した。

 市は19日に対策本部を立ち上げた。市民生活維持を最優先事項として生活物資が搬入される平良港=市平良=と大神島と宮古島を結ぶ大神航路を重要港湾と位置づけ、航路の確保を図る。一方、市によると港への侵入を防ぐために必要なオイルフェンスについて市内事業者は平常時からリースで対応してきたため、島内の在庫が100メートル分しかない。座喜味市長は「漁業者と連携して古い漁網なども活用したい。水産物を守るためにでき得ることは全てやる。県にも災害対策として予算措置を講じるよう申し入れてある」と話した。


 

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